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108-0072
東京都港区白金3-1-15-3F tel&fax. 03-6383-0626 i@yamamotogendai.org [開廊時間] 火〜土曜日: 午前11時〜午後7時 日・月・祝日 休廊 その他のジャンル
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2011年 07月 20日
7月2日より開催したヤノベケンジ展。
今展では、10年前に制作された代表作「大地のアンテナ」を中心に展示いたしました。 1997年のチェルノブイリ訪問から得た貴重な経験から制作されたこの作品は、単にその事故や教訓を模すのではなく、以後、世界の様々な事象を感知/発信する「アンテナ」のような役割を果たそうとする、作家自身の強い意思をあらわした作品です。 ソルトフラットで撮影された「未来の廃墟」ライトボックス(2001) 「アトムスーツ・プロジェクト:大地のアンテナ」(2001) 白い大地は塩で作られています。 空也上人像を模したヤノベフィギュア 口元から生まれているのは仏ではなく6体の「アトムスーツフィギュア」です。 無数に並んだアトムスーツフィギュアの中には、アンテナが立っているタイプが混じっています。 このアンテナはガイガーミュラー管です。放射線を感知し、ピッという音とともに胸のランプが反応します。会場には、まるで鍾乳洞にいるような、水滴に似た音が響いています。 1990年のデビュー展より20年、ヤノベは日本のアートシーンを牽引する作家として時代を駆け抜けてきました。 冷戦、湾岸戦争、原発事故といった暗雲が立ちこめる世紀末に生を受けたものとして、自らが生き残る(サヴァイバル)ための装置を展開した90年代前半。幼少の頃の大阪万博跡地での体験を創作の原点に見立てた“未来の廃墟への巡礼”というテーマを軸に、漫画やサブカルチャーの影響を意識的に備えた作品で社会問題を提示するヤノベは20代の頃より高い評価を得ていました。 しかし95年に発生した阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件という「現実」、97年に赴いたチェルノブイリで目の当たりにした「現実」は、時代の寵児としてもてはやされ国際的な評価を得ていたそれまでのヤノベの「妄想」世界を打ち砕きます。 その後、チェルノブイリ訪問の衝撃から得た「子供たちに未来を与えられるものを作りたい」という欲求のもと、新世紀の幕開けとともにそれまでの「サヴァイバル」というテーマを「リヴァイバル(再生)」へと大きく転換させました。 この『大地のアンテナ』は、ちょうど「サヴァイバル」と「リヴァイバル」の間に作られた作品で、いわば再生へ向けてのゼロ地点に立つ作品とも言えます。 震災を乗り越え、これから再生に向かう今の私たちと同じ地平に佇んでいるのかもしれません。 この他に発表された作品はこちら。 『エマージェンシー・ショッパーズ』(1999-2011) ed.1/10 こちらのエディションはガイガーカウンターが入っています。 『エマージェンシー・ショッパーズ』(1999-2011) ed.2/10 こちらは日用品のセット。 直訳すれば「緊急時の買い物客」というタイトルのこの作品。 99年にはヤノベの妄想の世界でパッケージにされたグッズたちですが、今の私たちには哀しい程にリアルなものばかりですね。。 そのほか、98年に描かれた絵日記を展示いたしました。 最後に、2007年発行された「トらやんの大冒険」あとがきより。 1997年6月、私は放射能防護服「アトム・スーツ」に身を包み人類史上最悪の原発事故を起こしたチェルノブイリを訪れた。 ヤノベの最新活動はこちらから↓ ヤノベケンジ公式ホームページ
by yamamotogendai
| 2011-07-20 15:49
| Exhibition
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